職人さんを増やすためのホームページづくり——本質が伝わるデザインの力|制作過程report
今、ある内装屋さんのホームページをつくっています。
このホームページの目的は集客ではなくて、職人さんを増やすこと。それがこのサイトのミッションです。
現場で働く職人は、今、本当に少なくなってます。
大工さんとか、内装屋さん、工場で働く技術者……。どこも深刻な人手不足に悩んでる。
理由はいくつもあります。
昔のように、木を一つひとつ加工して手間ひまかけて家を建てる時代は終わってしまい、今は工場で作られた部材を現場で効率よく組み立てるスタイルが主流になりました。
早く、安く。それが当たり前になった時代です。そして何より、誰が言い出したのかしらんけど、「3K」——きつい、きたない、危険。そんな言葉が職人の世界に、間違ったイメージを植えつけてしまったのかも。
でも、思うんですよね。
ぼくの知っている職人の本質はそんなものじゃない。自分がそういうことができないからそう感じるのかもしれないけど、
職人の仕事は、ほんとにかっこいい。現場で黙々と、でも誇りを胸に技を磨く職人の姿って、見ていて心が震えるほど。彼らは楽しそうに、そしてしっかりと稼いでる。
本気で技術を磨いて、自分の道を極めた職人の目には、揺るぎない自信と誇りが宿っている。その姿を見れば、きっと誰もが「やっぱり職人っていいな」と思うはず。結局のところ、職人の世界に人が集まらないのって、その本質が、ちゃんと伝わっていないだけ。ちゃんと伝われば、人は必ず動く。
それを物語る例として、その会社には現場で頑張っている一人の若い職人がいるそう。19歳、未経験で飛び込んできた青年。
彼がこの会社に決めた理由が面白い。
それはたった一つ、会社の「ロゴ」が刺さったからなんだとか。ヒップホップカルチャーの、グラフィティ風のそのロゴに、「ここで働きたい」と感じたんだって。
そう、人を動かすのは、給料や勤務地じゃないんだよなぁ。
たった一つのロゴ、たった一つの世界観でも、人の心を動かすことがあるんだと改めて実感。だからこそ、職人のかっこよさ、その本質がちゃんと伝われば、必ず「この会社で働きたい!」と思ってくれる人がどんどん現れる。それを信じて、本質が伝わるような最高のホームページをつくろうとしています。
デザインや文章、写真など、クリエイティブの力でそれを実現できると信じて、今、熱量高めに取り組んでいます。
photo
takahiro saito