こだわりと言わずにこだわりを伝える|訪問看護のパンフレットデザイン事例
最近、紙の印刷物のご依頼がめっきり減ったなぁ。
紙ずきの自分としてはちょっと寂しい気持ち。でも、そんな中、久しぶりにパンフレットデザインの案件をいただいた。(#ありがとう)
今回のクライアントは、訪問看護の事業所。
これまでご自身たちでパンフレットを作られていたそうですが、「どうも、しっくりこないんです」とご相談をいただきました。
よくある表現は、埋もれてしまう
訪問看護のパンフレットは、利用者さんよりも、ケアマネージャーさんなど、いわゆる“間に立つ方”に届くことが多いけどその内容はどうしても似通ってしまいがち。というか違いがほぼ判らない。
でもこれって、実は看護の世界だけの話じゃないですよね。
飲食店でも、美容室でも、一定以上のクオリティを提供するのが当たり前の時代。ただ「良いものを作れば伝わる」という時代は終わってる。大切なのは「どうやって、選ばれるか」。その鍵になるのが、“伝え方” なんですよね。
「そのまま伝える」のが正解じゃない
たとえば、よくある「献身的な看護をします」みたいなことば。
うん、それは間違いなく大事なこと。でも、それをそのまま書いてしまうと、伝わらない。“あぁこの事業所って本気で献身的な看護をしていそうだな” って、見る人に、理屈ではなく感覚的に刺さるかどうかがすべて。
つまり、「そのまま言わない」。
言葉もデザインも、“変換”するのが、クリエイティブのちから。
今回の変換のしかた
今回のパンフレットでは、イラストレーターの 秋山亮 さんにお願いして、手描きのイラストで「献身的な看護が感じられる」世界観を表現してもらった。
見た瞬間に、ほんのーり温かい気持ちになってもらえるように。
ページをめくると、まるで絵本のようにストーリーが広がっていく感じ。宣伝物でありながら、部屋に飾っておきたいほど。さすが秋山さん。(#天才)
さらに、文章(ことば)にも一工夫。
ありがちなサービス紹介ではなく、実際にあったエピソードをベースに構成しました。利用者さんが人生の終末期を迎える中で、スタッフの皆さんがどんなふうに寄り添っていたか。所長さんのインタビューをもとに、ほんとうの物語として丁寧に綴ってます。
(#読み返したらちょっとウルっときた)
伝えるのではなく、感じてもらう
こだわりを、こだわりと書かずに伝える。
伝えたい想いを、デザインと言葉の力で変換する。
これこそが、クリエイティブの醍醐味なんだよね。
・訪問看護ステーション|パンフレットデザイン|変形サイズスクエア型|8ページ
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