鎌倉の小さなホテルに、アンティークで重厚な“顔”を。— 看板で差をつける宿のブランディング事例

最近、小規模なホテルや宿泊施設からの外観・看板デザインのご依頼がとても増えています。背景には、民泊や小規模宿が増えていること、そしてそれらが競合する中で“選ばれる理由”が必要とされていることがあるように思います。
今回ご紹介するのは、鎌倉にオープンした小さなホテルの事例です。

“見つけてもらう”ための看板、“選んでもらう”ための外観
ホテルや民泊は、建物そのものを直接見て予約されるというより、まずは紹介サイトや予約プラットフォームに掲載された「写真」で判断されますよね。だからこそ、外観や看板は、第一印象を決める大きな要素。いわば「宿の顔」とも言える存在です。
特に鎌倉のように個性的な建物が多く、歴史的な背景を持つ街では、ありきたりなサインでは埋もれてしまう可能性も。今回は、建物自体が古かったこともあり、“無理にモダンにしない”という方向性で進めることにしました。
古都・鎌倉の空気に溶け込む、アンティークな世界観
ご提案したのは、アンティークなテイストでまとめた、重厚感のあるデザイン。
古都・鎌倉に訪れる人たちが持つ「歴史や雰囲気を感じたい」という気持ちに寄り添うような外観を意識しました。
素材は看板素材の「アルミ複合板」というパネルを使用していますが、一見すると鉄錆のような風合いに見えるシート仕上げを施しています。さらに、サインの文字は真鍮のような高級感を演出したアクリル製。特殊な金塗装により、本物の金属のような重みを感じさせる表現が可能となりました。
看板は、使う“素材”よりも“仕上げ”がすべてです。
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「アルミ複合板は安っぽい」は本当か?
今回のオーナー様も、最初は「これまでの看板屋さんのデザインがしっくりこなかった」とおっしゃって看板デザイン相談所にご依頼頂きましたが、その中でも特に、「アルミ複合板の看板はどうしても安っぽく見える」という声が印象的でした。
これは実際、たくさんの方から耳にするご意見です。でも大切なのは、簡易的な素材であっても、どう仕上げるか”。やり方次第でまったく別物に見せることができる。それを考えるのが、デザインなんですよね。

サインは外観だけじゃない。館内のサインもトータルで設計
今回はホテルの顔となるメインサインだけでなく、各階の案内サインなど館内のサイン類も一式でデザイン・制作させていただきました。館内の写真は未公開ですが、トーン&マナーを統一することで、宿全体の印象に一貫性を持たせることができたと感じています。
“アンティークで新しい”ホテルが完成
歴史を感じさせる佇まいと、手間ひまかけた質感表現。クラシックだけど古臭くない、“アンティークで新しい”ホテルの外観が完成しました。観光地・鎌倉というロケーションにぴったりの世界観で、旅人たちの記憶に残る宿になってくれることを願っています。

