【店舗外観デザインの考え方4】自分のお店らしさ(世界観)が、外観に出せていない。
「お店の外観で、ちゃんと“うちらしさ”を出したい」
そんなご相談をよくいただきます。
実際のお店を見ると、それっぽくデザインは整理されているのに、どこか印象に残らない。そんな外観になっていることも少なくありません。
ここでいう“世界観”というのは、言い換えると“キャラクター”のことだったりします。例えば、ひとつの物語に登場するキャラクターが、全員同じ性格や雰囲気だったら、誰が誰だかわからなくなってしまいますよね。それぞれに個性があって、はじめて物語としての魅力が生まれる。
お店も、実は同じです。
例えばスターバックスには、他のカフェとは違う“スタバらしさ”があります。それは単なる「カフェ」という枠ではなく、空間やサービス、雰囲気も含めたひとつの“キャラクター”として成立しています。だから人は、「あそこのカフェに行こう」ではなく、「あそこのスタバに行こう」と、その名前で呼ぶようになる。
これが、独自の世界観ができている状態です。逆に、この“らしさ”が曖昧なままだと、どうしても“どこにでもあるお店”に見えてしまいます。どんなにデザインを整えても印象に残らないのは、見た目の問題というより、“キャラクターが定まっていない”ことが原因だったりします。世界観をつくるうえで大切なポイントは、一度、業態のことを脇に置いて考えてみることです。
歯科クリニックはこういうデザイン。学習塾はこういうデザイン。そういった“型”から考え始めてしまうと、どうしても似たような外観になってしまいます。大切なのは、お客さまに「どんな体験を届けたいのか」から考えること。
患者さんにとって安心して通える場所にしたいのか。楽しく通える場所にしたいのか。その体験から逆算していくことで、はじめてそのお店らしい世界観が見えてきます。
例えば、安心して通える歯科クリニックを目指すのであれば、少しカフェのような雰囲気の方がリラックスして通えるかもしれない。学習塾で、生徒が前向きに勉強に取り組める環境をつくりたいのであれば、学習塾であっても、エンタメ性のある空間でもいい。
つまり、“何の業態か”ではなく、“どんな体験をつくるか”から設計する。これが、世界観をつくるための大切なポイントのひとつです。
そしてもうひとつ。
“らしさ”は、他を見て「こういうのいいよね」と決めるものではありません。自分たちはどうありたいのか。その想いや方向性をもとに、見つけて整理していくものです。いわば、0→1の作業。
それは外の世界に答えがあるものではなくて、すべて運営する方の中にあるものだったりします。看板デザイン相談所では、デザインに手をつける前に、必ず2回のZoomミーティングを行います。
それは、お客様の中にある答え、本当の想いを見つけるための時間です。その軸が定まってはじめて、そのお店らしい、独自の世界観が形になっていきます。